オーストラリアで子育てってどんな感じ?赤ちゃんとできるアクティビティとか、街にあったりするのかな?
乳幼児の育児中にうれしいのは、周りの人々のちょっとした支援や参加できる赤ちゃん向けのイベント。
とつぜん仕事を離れ育休に入ったママや、出産を機に引っ越したママなど、周りとのつながりがなく孤立しがちな「ぼっちママ」にとって、地域のネットワークが築けるイベントは有意義です。
現在、オーストラリアのシドニー在住なのですが、乳幼児育児のための公共のサービスがよく、すばらしいのでレポートします。
こんにちは、れとです。夫のいるシドニーに2022年から赤ちゃんと住んでいます。
赤ちゃんを産むと、ママはこんなことを考えます。
✓ まだからだがヤワヤワな赤ちゃんを連れて一緒に行ける公共の場所はある?
✓ 赤ちゃんとママが一緒に学べる場所はある?
✓ ほかのママに会える場所はある?
✓ 定期的に通えて、生活リズムを整えられる場所はある?
これらに、ここオーストラリアでばっちり答えてくれるのが、「絵本の時間(ストーリータイム)」と「プレイグループ」です。
文字どおり、「絵本のおはなしを聞く時間」と「遊ぶためのグループ」。公共の施設で運営されています。これが実際、どんなものかレポートします。
それでは、さっそくご案内しますね。
絵本の時間(ストーリータイム)とプレイグループとは?
ストーリータイムは「お話の時間」です。そしてプレイグループは「遊ぶためのグループ」。いずれもそれぞれの地域の図書館や公民館などで開催されています。
赤ちゃんと一緒にいけるイベントを探すなら、住んでいる地域の図書館のウェブサイトを確認すれば、さまざまなイベントが見つかりますよ。
ストーリータイムとは
ストーリータイムとは、文字通り「おはなしをきく時間」。童謡も一緒にまなぶ場合、”Rhyme time(詩の時間)”と呼ばれることもあります。
ストーリータイムは、大抵30分ほど。15分ほど歌をうたい、5分のおはなしを聞いて、また10分ほど歌をうたって終わりといった感じです。私の地域のストーリータイムは、10時頃スタートです。
歌をうたい、お話をしてくれるのは図書館のスタッフの方々。マイクをつけて歌い、一緒に踊ってくれます。
赤ちゃんは集中力ゼロなので、少し飽きればイヤイヤがはじまります。30分は我慢の限界。ちょうどよい時間ですね。
読まれる絵本はどんなもの?
絵本は、ジャンルを問わず、さまざまなものが読まれます。絵本の一部をご紹介しますね。
The Very Hungry Caterpillar(はらぺこあおむし)
大人気の名作ですね。はらぺこのあおむしがたべものを食べながら冒険します。シドニー市内では、観劇も上演されています。
I Want My Hat Back Paperback(どこいったん)
世界中で大人気のこちらの絵本。私の行っている図書館には2冊用意があるほど人気なようです。ぼうしをなくしたくまさんが、ぼうしを求めていろんな動物に「ぼうしのありか」を聞いてまわります。
終わり方が残酷で怖いんですよね。だから人気なのかな。
Where The Wild Things Are(かいじゅうたちのいるところ)
こちらも世界中で読まれている名作です。マックスはいたずらの罰に夕食抜きで自分の部屋に閉じ込められます。ところが、部屋が森になり、かいじゅうたちがあらわれます。
Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?
いろんな色の動物がでてきて、どんな色かを子どもに聞きながら読み進められます。リズムがよく、子どもが覚えやすいセリフです。
Don’t Let the Pigeon Drive the Bus!
バスの運転手さんが「ハトには運転させないでね。」と言っていなくなります。運転したいハトは、どうにか運転させてもらえるように読み手にお願いしつづけます。
PRESS HERE
丸を言われたとおりにボタンのように押してみると、あらら、丸が動きます。お子さんと一緒に丸を押して楽しめます。
Baby Happy Baby Sad
「幸せなとき」と「悲しいとき」の赤ちゃんが次々に出てきます。読んでる子も「うれしいかな?悲しいかな?」と考えられる一冊です。
どの本も、何度も読みたいおはなしです。私は何冊か英語版と日本語版を購入して読み聞かせています。
図書館でのストーリータイムでは、読み手が人形を手にはめたりして、こどもを楽しませてくれます。
これらの作品は、デジタルが好きならYouTubeで視聴も可能です。絵本を買う前にストーリーの確認もできますね。
プレイグループとは
プレイグループは、「赤ちゃんやこどもが一緒に遊ぶためのグループ」です。公的な機関のほか、ボランティアなどで運営されていることもあります。それぞれの運営団体によりますが、週に一度が多いようです。
見つけるには、グーグルやFacebookなどで自分のいる地域の「play group」を検索します。地域によっては、さまざまな団体のプレイグループが見つかります。
運営されている内容は、個々の団体によります。場所は、図書館や公民館の部屋などで開催され、たいてい時間は午前中です。
1時間ほどの「遊びの時間」のあと、スナックをつまむ時間をはさみ、その後歌を歌う時間が続きます。合計2時間ほどで終わりです。
「遊びの時間」には、それぞれの年齢に合わせたおもちゃや塗り絵などのアクティビティが用意され、子ども達はそれぞれ好きなように遊びます。
外国人(市民権なし)でも参加可能
ストーリータイムもプレイグループも、とくに市民権を必要とするなどの条件はありません。運営形態にもよりますが、誰でも参加できて無料であることが多いです。
ただ、プレイグループは運営規模に対して地域の子どもが多いことはよくあり、「ウェイティングリスト」に名前を追加してから数か月待つこともあります。
いずれにしろ、地域に越してきたよそ者の外国人でも気軽に参加できるイベントが数多くあり、これらに参加することでよそ者でもネットワークが築けます。
週に何度もあるセッション
図書館では、週に何度も決まった時間にストーリータイムが開かれています。プレイグループにも参加していると、週末をのぞいてほぼ毎日何かに参加できる状態です。
一方で、こうしたさまざまな子ども向けイベントは、「学校の学期中」だけ開催されており、夏休みや冬休みの期間(School holidays)は開催されません。
上にお子さんがいる場合、上の子たちが学校に行っている間にストーリータイムやプレイグループが活用できるという感じですね。
おうたをからだで学ぶ
ストーリータイムでも、プレイグループでも、おもな時間は歌を一緒にうたい、踊ることに使われます。歌詞の内容だけでなく、リズムや音感など、歌を通じて学ぶことは多いですよね。
ここでは、ストーリータイムでよく歌われている歌をご紹介します。
Incy winch spider
Round round the garden
Open shut them
Row row row your boat
Shake shake shake my sillies out
Twinkle twinkle little star
飛び交う複数言語
オーストラリアは移民国家で、さまざまな人々が世界中から集まり住んでいます。私のいる地域の特性もあるかもしれませんが、80%くらいが移民の印象です。
そのため、ママも2、3か国語を話し、プレイグループの部屋はさまざまな言語が飛び交います。とくに多いのは英語、中国語、韓国語ですね。
子どもたちの中には、ママと話すときと他の人と話すときで言語を使い分ける子もいます。小さな頃から複数の言語に親しめる環境といえます。
まとめ:子育て環境◎のオーストラリア。「絵本の時間」とプレイグループ
保育所や幼稚園に子どもを入れておらず、孤立しがちなママは、「ほかのママに会える場所はないかな?」と思うと思います。
そんなママにとって、オーストラリアの「絵本の時間」と「プレイグループ」は使えるサービスです。何かのグループに属してもかならず行かなければならないことはなく費用も発生しないので、心理的に負担がなく助かります。
一方で、「では保育園はどうなの?」と思われる方もいると思います。
保育園については別途詳しく書こうと思いますが、基本私立で、1日あたり150AUS$(日本円で1万円)以上するのが普通です。
3歳以降は補助が出るようですが、それにしても高額です。アメリカにいた時は、月15万円~20万円と聞いていたので、オーストラリアは似たようなものですね。
日本は保育園はそこまで高額ではないので、職場に戻らなければと思うママの視点で見ると、日本の保育システムは費用的に子育て家族に優しくできているなと感じます。
そして日本でも「保育園に落ちる」ことは問題になっていますが、シドニーでもじゅうぶんな数の保育施設はなく、ウェイティングリストに名前を入れても半年以上待つのはザラです。
一方で、日本のように行政が音頭をとって保育園の申し込みを統制し、年度制度に基づいて4月が入りやすいなどと考え申しこみをするようなシステムはありません。
年度制度という考えが無いので、私の周りの人たちは自分たちのタイミングでそれぞれの保育園のウェイティングリストに名前を入れて、空きがでたら、はいれる日にちから入れているという感じ。日本より制度はかんたんなイメージです。
いずれにしても、どこの国でも乳幼児に対する教育費用を安価かつ誰でも手が届くようにするのはかんたんではないんですね。ここオーストラリアでも「乳幼児に対する教育費用が高額すぎる!安価に!」というスローガンをよく見かけます。
今日はここまで。お読みいただきありがとうございました。また次回♪