
ガチャガチャって、ついついお金入れちゃう!ガチャガチャがいっぱいあると、次どれにしようって迷うのが楽しくてしょうがないっ。
日本独自のカルチャーとして長年親しまれてきた「ガチャガチャ(カプセルトイ)」。
今ではアニメショップや観光地にとどまらず、コンビニや空港にも設置され、なんならガチャガチャで1フロア使うショッピングモールがあるほど。
その人気は、日本国内ではここ数年で右肩上がりだなとたまに帰国すると感じます。
(こないだ帰国した時は、ガチャの森で子供とアンパンマンのやつ5個くらいやってきました。大人だけど、やっぱり楽しい。)
私はこれまでいくつかの国に住んできましたが、驚いたのが、シドニーでのガチャガチャの人気ぶり。
ショッピングモールの一角やアニメショップの前に、日本製のガチャコーナーがずらりと並び、ガチャマシーンの前に人が並んでいることすらありました。
シドニーでは、ガチャガチャは「日本から輸出された文化」として、そのまま現地に根づいている実感がありました。
ところが、5年前まで住んでいたアメリカ東海岸(ワシントンDC)も、今住んでる中南米も日本のガチャガチャは皆無です。中南米のコスタリカでは、「日本発のお店」が皆無。
なぞの、偽物で怪しいポケモンガチャガチャが、ガムボールとスーパーボールと一緒に、アメリカのガムボールマシーンに入れられて販売されています。
他方、街にはアニメグッズが溢れ、日本のキャラクターだらけ。中国製で偽物っぽいものも多く、とても歯痒さを感じています…。
シドニーとコスタリカで目撃している、ガチャガチャを中心とした日本系グッズを巡るマーケットのその状況。私なりに分析してお伝えしたいと思います。
ガチャガチャは日本にとどまらない?海外でも超がつくほど人気!
海外でもガチャガチャは超人気です。ユニークな発想、ミニチュアの精巧さ、キャラクターとのコラボ…その幅広さとクオリティの高さは、「日本のカプセルトイ文化」というブランドを確立して、世界に広まっています。
ちょっと前まで私はオーストラリアのシドニーに住んでいて、その人気ぶりを目撃していました。シドニーは、アジア系のお店がとても多いです。そして、それらのアジア系ショッピングモールに行くと、よくガチャガチャが設置されていました。
とくに中華系の多いBurwoodや、ダウンタウン(CBD)の中心にあるRegent Placeだとか、Kinokuniyaでは大量のガチャガチャを目にしました。人が多く行き交うフェリーポートにもありましたね。
しかも、ガチャマシーンも中身も、日本のものそのままなんですよね。サンリオやポケモン、動物系フィギュアなど、説明書も日本語のまま。みんな、日本のコインのようなトークンを購入してガチャガチャをやってました。
目をキラキラさせて。でたカプセルを開ける度に叫び声が聞こえて。みんな超楽しそうです。ガチャガチャは、シドニーではすっかり日常の一部です。
アメリカ東海岸、中南米における“海外ガチャガチャ空白地帯”と、そこにある確かなニーズ
一方、5年前まで私が暮らしていたワシントンDCも、今暮らしているコスタリカでも、シドニーで見たようなガチャガチャの光景はありません。
日本のガチャガチャは未進出
日本のガチャガチャは、ここコスタリカでは未進出です。
アメリカ、メキシコならまだしも、コスタリカなんて日本からしたら小さいマーケットすぎて無視なのはまぁ理解できます。(アメリカでもあんまりないんだからそりゃそうですよね。)
一方で、コスタリカのアニメショップや雑貨店では、日本のアニメやキャラクターグッズ、フィギュアが大量に売られていて、まるで秋葉原みたいな店がたくさんあります。
ショッピングモールに行けば、鬼滅の刃にナルト、ドラゴンボール、ワンピース、ポケモンなどのグッズがずらり。フィギュアのお店はかなり多いです。
NetflixやYouTubeが普及し、映画館では日本のアニメも放映されています。今月は鬼滅を見かけました。これからも自然と日本グッズは売れていくものと思います。

コスタリカにあるショッピングモールは、日本のArioやイオンモールよりも大型で、アメリカのSimonなどのショッピングセンターに近い感じ。空間の使い方が大きいので、至るところにガチャガチャを設置できそうな「空きスペース」があります。


「ここにガチャガチャがあれば、みんな絶対に回すのに!」と歯痒く感じています。
でもガチャガチャは2025年時点でここにはなく、謎のガムボールマシーンによりプラスチックのポケモンボールや怪しいおもちゃがお菓子と一緒に販売されています。(誰か買っているのをみたことはありません。)

中国・韓国によるアジア商材マーケティング。全世界制覇のいきおい
世界各国、色々な地域で、中国系企業による「総アジア文化販売」のいきおいがすごいです。アジア文化を全部ひっくるめて、「アジア商材」として販売しています。
シドニーでもそうでしたが、コスタリカでも、以前からブログでも話しているMinisoが、ワンピースとサンリオグッズを世界中で販売しています。Minisoはシドニーにもたくさんありましたが、コスタリカのサンホセにも複数店出店しています。
Minisoは中国発祥のブランドですが、日本語風のロゴや商品デザインのため、日本企業と誤認されやすいです。実際、私の周囲でも「たぶん日本のサンリオショップ」だと思っている人が多い印象。
サンリオやワンピースなど、日本の人気キャラクターと正規ライセンスを結んで商品展開していて、世界中の人にとって「日本のものが手に入るお店」という認識=ブランドイメージができあがっています。
私としては、「なぜSanrio Shopではなく、Minisoなのか」ととても悔しく感じるのですが、Miniso以外によいクオリティのサンリオグッズを入手できるお店が無いので、私もMinisoに行くという状態です。
Minisoは、最近はダイソー、無印めいた日本パクリを以前のように大っぴらにしなくなり、「トレンドキャラ商品」に注力しています。最近はディズニー、サンリオ、ワンピース、ハリーポッターなどが主力。コスタリカでは、週末は人でごった返しています。
Minisoのほかにも、日本の商品ぽいものを売っているお店がたくさんありますが、すべて中国の方々による運営。そしてコスタリカで流通している日本風の商品は、かなりの割合が中国発→米国経由の輸入品です。

デザインは日本っぽいけど、本物かどうかも分からない。そうした商品が並ぶ棚を見ては、ガチャガチャに代表される「本物の日本からの製品」が入ってこないことが、非常にもったいなく感じられています。
日本文化の需要が存在しているのに、それに応える「日本からの提供」がなくて、市場が「本家」が作っていない商品に席巻されている…。


ツッコミどころがありすぎる。(シドニー/オーストラリア)
ちなみに、中華料理店は世界中どこでもあるので予想していましたが、驚くことにコスタリカでは韓国レストランもよく見かけます。コリアンチキンが多いですね。
しかも、フランチャイズ的なものではないように見受けられます。韓国の方が監修しているように見受けられ、K-popがスクリーンで流れています。
韓国は、世界中での広報に少しも妥協がないのが本当にすごいですね。ここでもK-popのいきおいがすごいです。
ちなみにコスタリカでは、日本食はローカルフランチャイズか中国の方が出店していて、残念ながら日本人が監修していないと見受けられるお店が多いです。
なぜガチャガチャはまだ来ないの?日本からのお店はないの?一般人が感じる素朴な疑問

これだけアニメ文化が浸透していて、日本語が書かれた商品もあふれていて、アニメのフィギュアだらけなのに、なぜ「ガチャガチャ」を含め「日本から販売されている商品がないのか?」と不思議に感じています。
ガチャガチャマシーンは基本自動販売機。投資コストもそこまでかからないのでは?と素人目に思えます。「誰かがやったら絶対流行るのに」と、モールを歩くたびに考えてしまう。
私自身、業界の人間ではないのでくわしい事情はわからないけれど、
- 設置スペースはたくさんある
- 日本のアニメやキャラグッズはすでに人気
- 現地の人の「コレクション好き」な気質にも合っている
- 富裕層の購買力もある
これだけ条件がそろっているので、「ガチャガチャ含め日本発の商品がマーケットに並んでいない」というのは、日本の企業側が中南米市場にあまり目を向けていないのだろうなと思います。
あるいは、ガチャガチャについていえば運営って意外とコストがかかるのかな? 盗難とか、物流とか、法規制の問題があるんですかね?
いろいろ理由はあるのかもしれないけれど、それでも、これだけ「売れる理由が揃っている」ところに、本家本元の商品が届かないことは、なんとももったいない気がしてなりません。
シドニーで見たように、「日本そのまま」のガチャガチャが置かれるだけで、人が集まり、興味を持ち、めちゃくちゃ笑顔になるので。本物の、日本のガチャガチャをこっちの人に届けたら喜ぶだろうな、と。
ガチャガチャは単なる「商品」というより、文化体験なんですよね。お金を入れて、出てきたカプセルを開けて、ものすごく精巧なおもちゃが入っている、そして自分が欲しかったものだと、とても嬉しい。
ラブブとか、流行ってますがガチャガチャはやっぱりあのマシーンでやるから嬉しいんですよね。ガチャガチャって回す時の感覚と、ミニサイズのあのカプセルをパカっと開ける時の喜び。私にとっては全然違います。
ただの一市民として、日々「ここにガチャガチャがあればなぁ」と思っているだけの記事でした。
ガチャガチャの業界の方、アメリカ大陸へのさらなる進出をどうぞよろしくお願いします。現地の方々喜ぶと思います。
コスタリカは日本から直接だと関税がすごいのですが、アメリカ経由のビジネスだと関税がゼロになる可能性があります。
万一コスタリカ国内でのマーケターを必要としたら、喜んでガチャガチャ振興に尽力するのでお知らせください(無いと思いますが。)
まとめ
コスタリカの富裕層は、とてもお金持ち。庭とプールつきのコンドミニアムの戸建に住み、高級車を乗り回し、趣味にはものすごい額をヒョイと投資します。(貧困の差がとても激しい。)
そんなコチラの人たちは、ショッピングモールできゃらくるカートのような車や、ぬいぐるみの乗り物を、その費用も、待つのもいとわず、積極的に子供に使っています。

コスタリカではダイナミックな動物がけっこうなスピードでモール中を駆け巡る。シュールです。
子供には寛大にお金を使うので、ガチャガチャもよいビジネスアイテムにもなりえるとも思えます。
日本にとっては商機?と思いますが、リスクとか考えると未知の国への進出は色々とハードルが高いのだろうなと思います。
そう考えると、Minisoすごいな…。こんなところまで進出していることを考えると。
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