アメリカのクリスマスは日本と違うって聞いたけど、どう違うの?
クリスマスといえば、日本では都市部ではこんなイメージでしょうか?
✔ ロマンチックな夜を恋人と一緒に過ごす
✔ イチゴののった生クリームケーキか、ノエルの形のケーキで、家族でお祝い
✔ クリスマスツリーは、毎年使えるプラスチックのデコレーションツリー
✔ クリスマスが週末でなければ勤務。
✔ 恋人がいないと街の雰囲気がロマンチックでつらい
✔ クリスマスよりも、お正月休みに家族で集まっておせちを食べる。正月休みは、12月28日~1月3日。3日までのんびり寝正月。
皆さんのクリスマスシーシーズンのイメージはこんな感じでしょうか。日本のクリスマスもアメリカから来たはずですが、実はアメリカのクリスマスはちょっと違います。
この記事では、アメリカのクリスマスがどんな感じなのかご紹介しますね。
日本でもまったく一緒なこと、まったく違うこと、いろいろあります。ぜひご存じのクリスマスとの比べてみてください。
それでは、さっそくご案内しますね。
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アメリカのクリスマスの文化
アメリカでは、クリスマスシーズンに入るとクリスマスの準備がはじまります。
オレンジ色と黒のハロウィーンカラーと蜘蛛の巣でいっぱいだった街が、11月に入ったとたんに赤、白、緑のクリスマス色に彩られます。
どんな準備がはじまるのか見てみましょう。
クリスマスホリデーシーズンは、11月後半にはじまる
クリスマスのホリデーシーズンは、正式には11月第4週の木曜日にはじまります。
11月の第4週の木曜日は、アメリカでは「サンクスギビング」と呼ばれる感謝祭が開かれます。この感謝祭も大きな祝日で、通常、多くのアメリカ人が金曜日が休みを取得し、故郷に帰り家族で集まります。
このサンクスギビングの11月4週から、新年が開けた1月1日までが「アメリカ人にとってのクリスマスホリデーシーズン」です。
このクリスマスホリデーシーズンに入ると、ビジネスはとたんにスピードが遅くなります。なぜなら、多くの人がサンクスギビングホリデーやクリスマス前後に休暇を足して自分の故郷に帰るため、働く人が一気に減るからです。
街中のクリスマスデコレーションは、ハロウィーンの直後からはじまります。街中がほのかな白い灯りでいろどられ、アパートやホテルは、中も外もクリスマスツリーやリースが飾られます。
建物の周りはほのかにシナモンの香りが漂い、あたたかな雰囲気が広がります。
アメリカでクリスマスの雰囲気を楽しむ旅行をしたいなら、12月の間はずっと楽しめますよ。
クリスマスカード
アメリカでは、クリスマスシーズンに入る頃に、クリスマスカードを送りあいます。カードを送りあうのは一般的で、スーパーでもたくさんのカードが販売されています。
このカードは、クリスマスシーズンが終わるまで、部屋に飾られることもあります。日本の年賀状のようなものですね。
今はデジタルでの挨拶も一般的ですが、やはりアナログの直筆の便りはいつでも送り主の心を感じるものです。アメリカでは今でもカードを送りあうのは一般的なので、お友達がいれば送ってみましょう。
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もみの木は、自然からそのまま
アメリカでは、クリスマスホリデーシーズンになると、生の「もみの木」を購入し、家に持ち帰って部屋に設置するのが一般的です。
11月後半になると、道端にはもみの木の販売所が特設されます。スーパーや工具店などでも店頭で買えます。
小さいものは手のひらサイズから、大きいものだと数メートルのものまでさまざま。
もみの木は、車の上にしばりつけて家に持ち帰るのが一般的です。クリスマスシーズンには、もみの木を運ぶ車がたくさん見かけられます。
もみの木を家族でかざりつけ
持ち帰ったもみの木には、家族みんなで飾りをつけます。この飾りは「オーナメント」と呼ばれますが、アメリカではこのオーナメントの種類がかなり豊富です。
アメリカのニューイングランド地方では、「Christmas Shops」というお店があり、一年中クリスマスオーナメントが買えます。
25日のクリスマスデーの朝には、サンタクロースがもみの木の下にプレゼントを置いていきます。
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くつしたをぶら下げる
クリスマスホリデーシーズンがはじまると、くつしたを暖炉やかべにぶら下げます。このくつしたは、アメリカでは「Christmas stocking(クリスマスストッキング)」といいます。
サンタクロースは、お菓子や小さなプレゼントをくつしたのなかに残して去ります。
クリスマスライト
クリスマスホリデーシーズンがはじまると、アメリカでは多くの家の外観がクリスマスライトで飾り付けられます。
ライトはクリスマスツリーやサンタをかたどったものなどが多く、とてもカラフルです。
地域によっては多くの家がクリスマス用にデコレーションされ、さながらディズニーランドのエレクトリカルパレード。一晩中光り輝いています。
この時期、多くの人が近所のデコレーションを見るために散歩します。
ミソトー(ヤドリギ)
クリスマスシーズンに家のドアやリビングなどにヤドリギを飾りつけるのも1つの習慣です。
ですが、現在はヤドリギだけではなく、さまざまな木の種類でリースが作られ、飾られることが多いですね。日本でもドアにリースを飾るのが最近は主流かと思います。
アメリカでは、「ヤドリギの下で出会った2人はキスをする」という慣習があります。よく映画などでこの慣習が揶揄されるので、知っておくと話が理解しやすくなります。
ジンジャーブレッドとクッキー
アメリカのクリスマスシーズンのお菓子といえば、このジンジャーブレッドとクッキーです。シナモンもよく使われます。
よくジンジャークッキーは人形の形に作られます。セットでジンジャークッキーでできた家もよく見ますね。
エッグノッグ
クリスマスの時期によく飲まれるのが、エッグノッグです。
エッグノッグは、クリーム、卵、砂糖とナツメグやバニラ、クローブ、シナモンなどのスパイスをあたためられた牛乳に混ぜたものです。クリスマスになるとスーパーに大量に並びます。
味としては、カスタードクリームの飲み物といった感じです。
大人はこれにラム酒/ウィスキー/ブランディーなどのアルコールを混ぜて飲みます。
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クリスマスイブには、クッキーと牛乳
クリスマスイブには、サンタクロースのスナック用に牛乳とクッキーをテーブルに用意する家庭もあります。
”ダサカワ(ugly)”なクリスマスセーター
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クリスマス近辺には、たくさんのパーティーが開かれます。
そのときに、主催者がまれに言うのが「”Ugly Sweater”を着てくる」というもの。クリスマスシーズンにしか着られない「ダサくてカワイイセーターを着る」のが近年追加された新しい文化です。
1980年頃から、映画などの影響によりこの文化が広まりました。クリスマスシーズンになったら、あえてダサくてかわいいセーターを着ると受けがいいかもしれません。
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アメリカのクリスマスの一番大事な日は、12月25日のクリスマスデー
アメリカでは、クリスマスで一番大事な日はクリスマスイブではなく、クリスマス当日の25日で多くの人がお休みです。家族が全員集合します。
とはいえ、クリスマスデーは、朝からプレゼントを開ける大イベントが待っているので、イブから集まってパーティーをする家族が多いです。
クリスマスデー前後のイベントをご紹介します。
教会に行く
多くのアメリカ人は、クリスマスイブとクリスマスデーに教会に行きます。
教会ではクリスマスキャロルが歌われ、キリストの生誕が祝われます。
クリスマスデーの朝
朝は、サンタクロースに届けられたプレゼントを開けることからスタートします。子どもたちはクリスマスツリーに駆け寄り、ツリーの下に置かれたプレゼントを開けます。
プレゼントを開ける子どもたちは、大はしゃぎです。感情大爆発でプレゼントを楽しみます。ギフトラッピングは、思いっきりビリビリ破り、中身を取り出します。
豪華なディナー
25日に家族全員が家にあつまって、サンクスギビング同様のメニューでパーティーをします。
ディナーで出される主な料理は以下のようなものです。日本ではKFCが食べられることが多いですが、アメリカではとくにチキンを食べるという文化はありません。
ローストターキー/ハム(クランベリーソース)
ローストビーフ
ローストラム
ポーリッシュソーセージ
魚料理
マッシュドポテト
ミートパイ
ラザニア
サンクスギビング、クリスマス前になると、スーパーでは山積みのターキー(七面鳥)が目に留まります。
とはいえ、アメリカは移民の国です。それぞれの家族の出身国や宗教などによってもクリスマス時期に提供されるメニューは異なります。
デザートはいろいろ
クリスマスデザートはケーキとは限りません。地域や家庭によりさまざまなものが振る舞われます。
具体的には、ケーキもありますし、トライフル、クッキー、ドーナッツ、デニッシュ、ファッジ、プラリネ、チョコレート、パイ、パンプティングなど、実にいろいろなものがあります。
実は、日本でこの時期に販売される「苺の生クリームケーキ」は日本で考案されたもので、アメリカでは一般的ではありません。
クリスマスが終わると、プレゼントがたくさん返品される
クリスマスが終わると、プレゼントでもらった「いらないもの」をみんな返品します。返品は、お店でもオンラインでもなされます。
アメリカでは、返品はかなり一般的で、贈り物をもらっても気にいらなければ返品します。プレゼントで誰かに何かあげるときは、返品を考慮してレシートを添付して渡すのが普通です。
渡す方からすると悲しい気もしますが、本人が使わないものを返品できるのは合理的ですね。返品して得たお金で好きなものを買えます。
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アメリカのクリスマスシーズンを満喫するならココ!
アメリカのクリスマスシーズンを満喫できる都市をご紹介します。
東京も、最近は冬のイルミネーションが美しいですよね。アメリカの各都市も街中が美しいライトやカラフルな装飾で彩られます。
映画で撮影に利用された都市が多く登場します。クリスマス時期にアメリカに滞在できるなら、ぜひ訪れてみてください。
ニューヨーク
クリスマスでもっとも有名なのは、やはりニューヨークです。ニューヨークは、アメリカのクリスマスシーズンの雰囲気がもっとも体感できる場所ですね。
はずせないのは、ロックフェラーセンターの大きなクリスマスツリーとアイスリンク。
クリスマスホリデーは新年にまでまたがりますが、新年を迎える夜はタイムズスクエアに100万人を超える人が集まり、花火を鑑賞します。
ラスベガス
西海岸にいるのなら、ラスベガスのクリスマスがおすすめです。
ラスベガスのリゾート地とショッピングモールでは、これでもか!というほどのクリスマスデコレーションを見られます。
メインストリートにあるガーデンは大きな噴水で有名な「ホテルベラッジオ」のように飾りつけられます。
たくさんのテントブースが設置され、クリスマス時期限定のショー、食べものや飲み物が楽しめます。
サンフランシスコ
サンフランシスコは坂だらけで有名ですが、クリスマスシーズンになると、このすべての坂にライトが灯されます。
クリスマスマーケットやアイススケートリンク、大きなジンジャーハウスも設置されます。クリスマスの雰囲気が思う存分味わえますよ。
シカゴ
シカゴもクリスマスを満喫できる都市です。
メインアヴェニューの1つ、Magnificent Mileの木々には100万以上のライトが灯されます。
大きなクリスマスツリーも街の中央に設置され、Cloud Gateではアイススケートも楽しめます。
ボストン
ニューイングランド地方のボストンはとても寒いですが、一押しです。冬のヨーロッパのようなクリスマスの雰囲気が存分に味わえます。
まずはBoston Commonsでクリスマスツリーを見ましょう。ダウンタウンからNewbury Streetのあたりでは、まばゆいほどのライトがビルを着飾り、豪華に灯されたイルミネーションを楽しめます。
美しく静かなニューイングランドのクリスマスの風景を満喫したいなら、Beacon Hillがおすすめです。まるでロンドンの小径のような景色に出会えます。連なるお店はどれもかわいらしく、ついのぞきたくなりますよ。
そして、見逃せないのがAcorn street。赤いレンガ造りの通りはとてもフォトジェニック。雪がちらつく中、それぞれの家に飾られた濃い緑のクリスマスリースが生え、とても美しい景色です。
アメリカでは、クリスマス後、新年パーティーまでがホリデーシーズン
アメリカでの「ホリデーシーズン」とは、サンクスギビング、クリスマス、新年までの間をさします。
大晦日は、新年を迎えるパーティーがあちこちで開かれ、友人と集まるのが一般的です。12:00には、どの街でも花火が打ち上げられ、テレビでは中継もなされます。
また、年のはじめに一緒にいる誰かとキスをするのが一般的な慣習です。なので、年が明けた瞬間、多くの人があらかじめキスする予定だった誰かとキスをします。
これは、「『年のはじめに会った誰か』がその年の行く末を予言している」という伝承に由来します。恋人や配偶者がいれば、お互いにキスをし、乾杯をします。
キスできる相手がいない人は、パーティーの間に「年が明けた瞬間にキスできる誰か」を探します。(無理してキスする必要はまったくありません。)
12:00を過ぎて年が明けた瞬間、皆で「Happy new year!!」と叫びあい、キスをして乾杯します。バックグラウンドでは花火の音がテレビや外から鳴り響きます。
そのあとは、翌日からホリデーシーズン開けで働きだす人が多いので、比較的すぐに解散して寝ます。
アメリカのクリスマスが学べる映画7本
アメリカのクリスマスについて知りたかったら、映画を観るのがおすすめです。映画を見ることで、アメリカのクリスマス文化や雰囲気をよく理解できますよ。
ここでは、数あるクリスマス映画の中でもとくにおすすめでクラシックな7本を紹介します。
Home Alone
ホーム・アローン(字幕版)(Amazon 日本)
▲クリスマス旅行に出かけた家族に、1人家に残された少年、ケビン。家に入ろうとするどろぼうと独りぼっちで戦います。
Home Alone 2
ホーム・アローン 2(字幕版) (Amazon 日本)
▲ホーム・アローンに続き、今度はNYに1人残されたケビン。またもどろぼうと、今度はNYのホテルで戦います。NYのクリスマスの風景を存分に満喫できます。
Jingle All The Way
ジングル・オール・ザ・ウェイ (字幕版) (Amazon 日本)
▲仕事人間のハワードは、息子のジェイミーに、「ターボマン」をクリスマスプレゼントとしてあげることを約束します。「ターボマン」は超人気商品。どこに行っても売り切れで、ハワードはどんな手を使ってでもターボマンを入手しようとします。
How the Grinch Stole Christmas
グリンチ (2000) (吹替版)(Amazon 日本)
▲フーヴィルの街の外に住むグリンチ。グリンチはクリスマスが大嫌い。フーヴィルのクリスマスを台無しにしようとするグリンチはシンディ・ルーという女の子に出会います。すると、計画が狂って…。
The Polar Express
ポーラー・エクスプレス (字幕版)(Amazon 日本)
▲サンタの存在を疑いはじめた少年。クリスマスの日、少年は家の前に止まった電車に乗り込みます。
The Nightmare Before Christmas
ナイトメアー・ビフォア・クリスマス (字幕版)(Amazon 日本)
▲ハロウィンタウンの王、がいこつの「ジャック」は、クリスマスタウンを見つけます。だけど、クリスマスのコンセプトが理解できません…。
Holiday
ホリデイ (字幕版)(Amazon 日本)
▲大人向けラブコメディです。「イギリスの田舎に住むイリス」と「アメリカのLAに住むアマンダ」は、自分の恋愛人生にうんざり。ネットで知り合い、クリスマスホリデーに居場所を交換することにします。新天地で思わぬロマンスがはじまります。
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アメリカのクリスマス:まとめ
アメリカのクリスマスをご紹介しました。日本のクリスマスは、ヨーロッパ、アメリカから来たものですが、日本の商業文化の中で「日本化」されています。
アメリカでクリスマスを迎えると、雰囲気がちょっと違ってなんだか映画の中にいるような気分になれるかもしれません。
とくに、外のしびれるような寒さから、アパートや店舗に入った瞬間に乾燥したあたたかさを感じるとき。そして、ふわりとアップルシナモンの香りやホットチョコレートの香りが漂うとき。
天井まである大きなクリスマスツリーが、ダイナミックな装飾といっしょに置かれているとき。そういう瞬間にアメリカのクリスマスを実感します。
アメリカのクリスマスは、「家族全員が集まる機会」というイメージがとても強いですね。仕事をしている人たちは、本当に限られます。クリスマスの日は、本当に街が静かです。
東京は、恵比寿、渋谷、六本木あたりのイルミネーションが毎年美しいですね。同じレベルのライトアップは、やはりニューヨークです。ニューヨークはさらにアメリカ色が濃く、ライトアップの装飾が大きい。雰囲気が格別に違います。
日本のイルミネーションが都市でスポット的なのに対し、アメリカは、住宅地でもライトが灯されています。住宅に灯されたライトを見にお散歩に行くのも楽しいですよ。
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この記事を読まれた方が、素敵なクリスマスを過ごされますように。
では、また♪
▼参考