国際結婚したけど、夫婦別姓でいいんだよね。
姓は変更した方がいいのかな。
旧姓だと、何も名義変更をしなくていいから楽だし…。
旧姓のままの方がいいよね。違う?
こんな疑問をお持ちですか?
この記事は、結婚して外国姓へ変更する場合のメリットとデメリットのお話です。
こんにちは、れとです。
2019年春にコスタリカ人と結婚し、色々考慮した結果、先日夫の姓へ改姓しました。
一方で、日本では、
国際結婚の場合、夫婦別姓が認められています。
というか、何もしなければ、原則別姓のままです。
日本では外国姓の人と結婚した場合、姓名について以下の選択肢があります。
①夫婦別姓
②一人の配偶者の姓で統一
③夫婦別姓+パスポートに配偶者の姓を()で表記
④配偶者の姓に改姓して+パスポートに旧姓表記
色々考慮した結果、私は4番目を選択しました。
しかし、日本の姓(夫婦別姓)と外国姓(新姓)、どちらを選択する方が良いのでしょうか。メリットやデメリットはあるのでしょうか?
というわけで、この記事では、
日本の姓(夫婦別姓)と外国姓(新姓)のメリットとデメリット
について、調べた結果をご紹介します。
それでは、説明していきますね。
旧姓(夫婦別姓)、外国姓(新姓)のメリットデメリット
日本の姓(夫婦別姓)と外国姓(新姓)のメリットデメリットを比較すると、以下のようになります。
旧姓(日本姓・夫婦別姓)
➤ メリット
☑ 色々なサービスの名義変更をしなくていい。
☑ 自分の家の「日本の名前」を引き継げる。※
※「外国姓+日本姓+自分の名前」という複合性と呼ばれる選択肢もあります。
その場合家庭裁判所で手続きを行います。
➤ デメリット
☑ 夫婦別姓は、夫婦であることを証明しにくい。
☑ 場合により、夫婦であることを証明するために「婚姻証明書」が必要になる。
☑ 日本国内においては、子供は原則日本国籍者の姓名のみを引き継ぐ。
外国人配偶者の名前は子供に引き継がれない。
家族の中で外国人配偶者のみ違う姓となる。※
※子供に外国姓を引き継がせる必要がある場合、子供のみに単独戸籍を作り、姓を外国姓とすることも可能です。その場合は、家庭裁判所に相談することになります。
新姓(外国姓)
➤ メリット
☑ 夫婦同姓になることで、結婚したことを実感できる。
☑ 子供は、日本国内においては、原則「日本人の戸籍筆頭者の姓」のみを引き継ぐ。
戸籍筆頭者が外国人配偶者の外国姓に変更→戸籍筆頭者は外国人配偶者と同姓
= ①戸籍筆頭者、②外国人配偶者、③子供
の家族全員が同じ苗字になる。
➤ デメリット
☑ サービスの名義を全部新姓に変更
☑ 仕事で旧姓利用する場合、新姓証明時に面倒。
☑ 日本では、姓を電話等で伝える機会が多い。
発音しにくかったり長い外国姓だと、毎回カタカナで姓名を説明しなくてはならないこと、狭い名前欄に名前を書くことが大変。
(これは、とあるフランス系の名前に姓名を変えた方から聞いた話です。最初は説明も楽しかったそうですが、間違われることが多く、急いでいる時にあまりにも分かってもらえないことにイライラして仕方なくなったそうです…。)
改姓は、いつまでにどこで可能なの?
姓名の変更が可能な時期には、リミットがあります。
外国姓の相手と結婚した場合、姓を簡単に変更できるのは、
婚姻後6か月の間
です。
変更の手続き方法は、
婚姻届を出した役所か、自分の住所の管轄の役所に「姓の変更届」を提出
するだけ。
変更届の書式も役所にあります。「婚姻届け」を出す際に「姓の変更届」も一緒に提出することも可能です。
改姓をしないまま6か月を過ぎてしまうと、その後は家庭裁判所に行って変更手続きを行う必要があるため、6か月を過ぎる前に結論を出しましょう。
戸籍制度を知る
旧姓を使用し続けたらどんな問題が生じるか。これを知るためには、戸籍制度を理解する必要があります。
日本独特の制度、戸籍制度。この戸籍制度は、世界中でも特殊な制度と考えられています。この項では、少しこの戸籍について説明したいと思います。
日本の戸籍制度においては、男女問わず、結婚するまでは、子供は父親の戸籍の下に入っているのが一般的です。
お父さんの戸籍 | お母さん |
れと |
外国籍の人と結婚するとどうなるか…。
自分の戸籍だけ父親の戸籍から独立します。
これを、単独戸籍といいます。
お父さんの戸籍 | お母さん |
↓
れとの単独戸籍 |
新しく誕生した単独戸籍には、「結婚したという事実」が記載されます。
そして、結婚相手の外国人配偶者は、日本人配偶者の単独戸籍に入る…
…かと思いきや、入りません。
日本国籍を持たない人間は、日本の戸籍に入れないんです。そのため、外国人配偶者の名前は、戸籍の備考欄に記載されます。
こんな感じです。
れとの単独戸籍 | 備考:外国人と結婚(配偶者 マニュエル ルイス) |
子供はどっちの苗字になるの?
子供が生まれた場合。日本人から生まれた子供は、日本国籍が与えられます。
そして、原則日本国籍保持者の戸籍に入ります。そうすると、同じ戸籍上の人間は苗字が一緒になるので、この場合、子供は日本国籍者の苗字が適用されます。
れとの戸籍 (苗字:田中) | 子供 (苗字:田中) |
備考:外国人と結婚(配偶者 マニュエル ルイス) |
そうすると、夫婦別姓でいた場合、
子供は戸籍筆頭者と同じ姓だけど、
外国人配偶者とは違う姓
ということになります。
この問題を夫に説明したところ、
「いや、そんなことないでしょ、どこでも子供は『両親の両方の姓名』を引き継げるはずでしょ。」
という反応で、全く納得してもらえませんでした。そりゃそうです。国際的には姓を複数引き継ぐことは一般的ですからね。
けれど、日本では姓を複数持つことは例外です。
日本国内では、原則日本国籍にある苗字のみが子供に付与されます。
で、理解した夫マニュエルの反応。
父親と子供の苗字が違うってことか…。
そうすると、日本に滞在中、お父さんと子供の関係性を突然示さなくちゃいけない場合などに困る可能性が出てくるね。
病院とか急に連れて行くとかになって、父親と子供の関係性が簡単に示せなかったら困るよね…。
そうですね、こういった問題が派生しえます。
因みに、家庭裁判所に行って、子供に更に単独戸籍を持たせ、父親と同じ外国姓に変更するという方法もあります。しかし、やはり家庭裁判所での手続きが必要で簡単ではありません。
結局、
「将来的に日本で生活する可能性を考慮すると、家族全員苗字が一致している方が色々と面倒がなさそうだね。」
ということになり、れと家では、私の戸籍上の姓名(旧姓)を夫の外国姓(新姓)に変更しました。
パスポートの表記
新姓に変更後、パスポートに旧姓を表記しました。
パスポートには、旧姓がこのように()に入れられて表記されます。
(TANAKA)
しかし、パスポート表記上の()は、日本独特で他の国では意味が通用しません。
現在私のいるアメリカでは()は全く意味をなさず、パスポートに表記のある全ての名前を記載するように言われることが多いです。
そのため
「新姓+旧姓+名前の3つの名前」の複合姓
として認識されています。
パスポートへの旧姓表記については、こちらもご覧ください。
旧姓(夫婦別姓)、外国姓(新姓)のメリットデメリット まとめ
まとめます。
旧姓のまま
➤ メリット
➤ デメリット
新姓へ変更
➤ メリット
➤ デメリット
私の場合、夫の名前がとてもシンプルで、日本人でも発音に問題が無い姓名だったことも姓を変更しても良いかなと思えた要因でした。
一方で、あまりにも日本っぽい外国姓なので、毎回「カタカナじゃなくて漢字は?」って聞かれるのも既にうんざりしてきています。
これでも疲れるのに、姓名を理解してもらうのに毎回ゆっくり説明しなければならないような苗字だったり、言うのが難しい名前だったりしたら変更をためらっていたと思います。
私個人的には、旧姓で夫婦別姓でいることにも、外国姓に変更することにもあまりこだわりはありませんでした。
夫婦別姓のままでも全く問題はありませんでした。夫の国コスタリカでは元々夫婦別姓制度ですし。夫の住むアメリカでも、夫婦が別姓だとしても特に問題はありません。
結局私個人的にメリット、デメリットはどうだったか、というと、私的には夫と姓を統一できたことはメリットが大きかったと考えています。
今アメリカで暮らしていますが、何でもMrs.だけで私が夫の妻であることにつき何の説明も必要とされないことで実は色々と捗っている気がします。今後も国境を跨ぐ生活をする中で、夫と私がセットであることを最も簡単に証明できる道具、それが同姓です。
それから、私は1年半の遠距離恋愛の末結婚したので、夫と結婚できたことが心底嬉しかったんですね。それで、自分の名前を記載する際に、姓の欄に夫の名前を書いた瞬間、「結婚した、家族になれた」ということを改めて実感し嬉しさがこみ上げました。名義変更作業は少々面倒と思いつつも、苗字、心の底では変えたかったのかもしれません。
ちなみに、仕事は旧姓を利用し続けています。
名義変更作業はどうだったかというと、IDを含め、全ての文書について新姓への変更手続きをしました。これらの作業だけで一か月程かかったと思います。
そして以前仕事をしていた外国にはまだ旧姓名義の利用中のサービスがあって、まだ変更作業には時間がかかりそうです。しかし、のんびりと必要な時に適宜対応していきたいと思います。