パスポートに旧姓の併記を検討中なんだ。
れとはもうパスポートに旧姓併記したんでしょ?
何か問題ってあった?
問題あったわよ。
いろいろやり直す羽目になったわ。やり直した内容を教えるわね。
この記事では、パスポートに旧姓を併記したことで生じた様々な問題を紹介します。これからパスポートに旧制を表記される方は、同じような問題に合わないように参考にしていただければと思います。
こんにちは、れとです。私は2019年に結婚し、姓名を変更しました。そして、その後米国に住むことが決定したため、移住の準備のため様々な手続きを行いました。
その中の1つがパスポートで、私は旧姓を併記しました。旧姓は()で新姓の横に記載されます。こんな感じになりました。
SMITH (TANAKA) SHOKO
旧姓のパスポートに表記後、①米国査証、②航空券、③マイレージカードの作成を行いました。
そして、①、②、③、すべて混乱がありました。あくまでも個人の経験ですので、こういう誤りが起こり得るという参考とだけして頂ければと思います。
何か手続きを行う場合は、手続き方法について現状どうなのか確認を必ず行うようにしてください。これを見る皆さんはスムーズに事を進めることができることを祈ります。
パスポートの旧姓併記のトラブル|米国査証
問:米国査証は、旧姓併記がある場合、申請書には旧姓を含んで申請すべきか。
答:含むべきです。
米国に住むことになったため、米国査証の申請を行いました。査証申請はネット上で米国大使館のホームページから行います。
記入に際し、注意事項は読みましたが、その際に姓名の欄に旧姓を表記するか否かについては説明書きがありませんでした(2019年10月時点)。
そこで、日本国外務省のホームページで旧姓表記につき確認しました。
括弧書きによる別名の併記はICAO文書第9303号には規定されていない例外的な措置であるため,ICチップ及びMRZ(Machine Readable Zone)には別名が記録されません。渡航先への入国可否は渡航先国の入国管理当局が判断します。入国審査では,旅券のICチップ及びMRZに記録されている氏名,ビザ(米国のESTA等を含む)に記載された氏名,航空券に記載された氏名が照合されますので,これら3つの氏名は一致している必要があります。このため,旅券面に別名が記載されていたとしても,ビザ及び航空券を別名で取得することはできませんので,御注意ください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/pss/page3_002789.html↗
大変理解が難しい文章ですが…。
「入国審査では,
①旅券のICチップ及びMRZに記録されている氏名,
②ビザ(米国のESTA等を含む)に記載された氏名,
③航空券に記載された氏名
が照合されますので,これら3つの氏名は一致している必要があります」
というこの部分から、
私の名前は、ICチップに記載されている新姓及び名前の2つだけであり、ビザの申請にあたってはこの2つの名前と一致する名前で申請しなければならない、と読み取れます。
そのため、チップに記載された「新姓+名前」のみで査証申請をするのが正しいと理解し、旧姓を省略した名前で申請書に記入を行い、提出しました。
こうですね。
SMITH SHOKO
しかし、申請書を送信した後、「もし申請書に旧姓を含むべきだったら面接が無駄になってしまう」という考えが頭をよぎりました。そのため、米国大使館に確認のため電話しました。
すると、オペレーターの方曰く、「ICチップの内容ではなく、パスポート上に記載のある表記すべて、旧姓も含み記載することが必要です。」とのこと。
外務省のホームページと言っている事が違うじゃないですか。
結果、申請を最初から出し直す羽目になりました。
やり直しをすること自体は難しいことじゃないんですが、これは、もし旧姓を記入しないまま申請書を提出し、面接まで行っていたら、申請が却下される可能性があったという事です。こんな重要なことについて、案内が曖昧である点に驚きました。
まだ旧姓を利用する仕組みが整っておらず、仕方が無いのかもしれませんが、既に制度が施行されている以上、名前を含む申請書の提出の仕方については、全ての公的機関は協議の上、様式を整えるべきだと感じています。
2020年2月、外務省が旧姓の表記についてパスポート上に注意表記を行い、国際的な混乱を招かないようにするとのアナウンスがありましたが、恐らくまだ何かの申請などについては、案内が曖昧な可能性が高いです。
特に査証等の重要書類は、少しの申請書の誤りでも却下される可能性があります。
旧姓表記があるパスポートで査証を申請する方は、行く先の国の大使館に前以て問い合わせ、旧姓を含んで氏名を記載するかにつき確認のうえ、申請書を用意することをおすすめします。
パスポートの旧姓併記のトラブル|航空券
問:航空券は、旧姓を含む名前で購入すべきか。
答:含むべきという回答でした。
先程紹介した外務省のホームページを読むと、パスポートのチップに「旧姓は入っていない」ということでしたよね。
そうすると、「航空券を購入するのも、チップに登録されている『新姓+名前』のみ。」と理解し、こちらも旧姓無しで購入しようと代理店に連絡しました。
米国の代理店で航空券を購入しました。代理店にパスポートコピーを提出すると、航空券がすぐ発行されました。すると、券面には旧姓も含む名前が記載されていました。
代理店に「パスポートのチップには旧姓が登録されていない。航空券に旧姓を入れると、米国入国時にチップ内の情報と違って、名前が一致せず問題になりますよね?」と聞いたのですが、航空券面とパスポートの表紙の名前が一致している方が大事だと。
めちゃくちゃ混乱しました。一体何に記載されていることを信じればいいんでしょう?
しかし、結局、この旧姓入りの航空券が発行され、それを持参して飛行機に乗りました。そして、無事にアメリカに入国できました。
代理店の方が正しかったのかどうかはともかく、実体験として、航空券に旧姓が表記されていてもアメリカへの入国には特に問題は無かった、ということだけお伝えしておきます。
パスポートの旧姓併記のトラブル|マイレージカード
問:マイレージカードは、旧姓を含んだ名前で発行すべきか。
答:航空券と全く同じ名前で発行する。
これ、重要です。誤った名前でマイレージカードを発行すると、大事なマイレージポイントが無駄になります。
マイレージは、「航空券面と同じ名前である限り、ポイントの登録が可能」なのだそうです。
航空券を購入する際、「新姓+名前」のみで航空券を購入すべきだと信じ切っていた私は、マイレージカードも「新姓+名前」のみで作成していました。
しかし、代理店が発券した航空券は、「新姓+旧姓+名前」。
結局、航空券に記載された名前とマイレージカードに記載された名前が一致しておらず、マイレージが加算できませんでした…。
結局、マイレージが登録できないことは、アメリカに渡航した後に判明し、日本航空に問い合わせてもう一度旧姓を掲載したカードを作成してもらうことになりました。
これは確認しきれていませんが、マイレージカードの表示名が「旧姓あり」となると、クレジットカードが一体になっている場合、クレジットカードの名義も「旧姓あり」となるんですかね…。さすがにそれは違いますよね。
日本航空会社のマイレージの問題は、また日本に帰国時に改めて確認しようと思います。
パスポートの旧姓併記をして旅行する際は、念には念をいれ、確認を怠らずに準備しよう
旧姓表記は混乱が多いようですね。日本は、世界でも珍しく夫婦同姓が法律で義務付けられている国となっています。
そのため日本のパスポート旧姓表記の仕方は日本独特であるようで、国際的に色々と混乱が生じているようです。
2020年2月、外務省が()だけではなく旧姓だと分かるように表記を変更する意向を示しましたが、一体どういう風に旧姓についての注意書きをパスポートに記載するのかがとても気になるところです。
米国では、この旧姓表記有りのパスポートの取り扱いがどうかというと、今のところ「()」が無視されます。
要するに、()はあるとみなされず、パスポート上の旧姓も含めた3つの名前を利用することになります。
利用するサービスによっては2つの氏名があれば事が足りるので、何かサービスを申し込む際は、旧姓が入ったり入らなかったりします。本当に混乱の元です。
こんなことになるなら、旧姓併記しなきゃよかったんじゃ?とも思いますが、私の場合、外国に口座等があって、旧姓を証明する資料が無いと、それらの口座の名義の変更ができなかったんです。
これから口座や社会保険番号等の変更をすべて終えたら、旧姓併記は混乱の元なので無くしたいと思っています。