日本に帰ると、いまだに目につくポスターやCMのモデルに外国人が多数起用されているのを見かけます。
ネット上でも外国人のモデルが起用された広告を日本のサイトでよく見かけますね。
先日は、とある雑誌でとある旅館の広告を見かけたのですが、着物を着た白人の女性が日本人向けの広告に起用されていて驚きました。
海外からの観光客向けの観光雑誌ならばわかるのですが…全部日本語だったし、違和感を禁じえない…。
他にも、車のCMも外国で撮影されていたり、洋服のCMも外国人のモデルを起用。
日本ブランドでの日本のマーケット向けに商品を売っていて、日本人向けにつくられているのに、です。
(ユニクロとかは世界規模で販売しているので、外国人モデルに着用させるのは正しいと思います。)
こんにちは、れとです。
今までヨーロッパの2か国とアメリカで合計10年仕事をしていました。今はアメリカ在住です。
この記事では、海外に出ると目につく日本国内における外国人コンプレックスが垣間見える広告らについて、思うところを書きます。
日本人は、もっと自分達の文化に自信を持って、日本人と日本文化をもっと前に押し出す時代に入ったと思うんです。
日本人の外国人コンプレックス 垣間見えるコンプレックス
日本に住んでいると、不思議に「日本人は欧米人より生活水準が劣っている」かのような印象を受けることがあります。
実際は全く劣っていませんし、他の国よりも先を行く技術や生活水準を有しているのが実際のところです。
(一人当たりが利用できる土地の狭さと多くのエンターテインメントのクオリティとワークライフバランスは疑問の余地がありますね…。サービスを受ける側という視点だけならば生活水準が高いと思います。)
外国よりも日本は劣っている、という無意識にある概念
ときおり日本のマーケットにいると知らないうちに刷り込まれるイメージ。
海外=日本よりすごい
なんでなんでしょう?海外ってそもそもどこ?アメリカ?
私は色んな国ので仕事してますが、日本よりも技巧が素晴らしい国って本当に少ないと思います。
技術によりますが、日本人と同じように洗練されたものづくりができるとか、時間が守れて(日本人は終わる時間が守れませんが。)きちんとそのイメージが世界で確立している人々なんて、スイス人、ドイツ人、アメリカ人の一部くらいだと感じます。
私個人の勝手な推測ですが、「海外の方が日本よりすごい」コンプレックスって文明開化の頃に日本人の脳に刷り込まれたんでしょうね。
それまで牛肉すら食べなかった日本人が、西欧文化をミーハーに持て囃して全部崇拝しながら丸ごと受け入れて、150年近く経った今でもそのままなんだろうなと。
日本人自身がこの海外はすごい!コンプレックスを利用している
文明開化の頃から引き継がれた、「欧米文化はすごい!!」という概念は日本に深く根付いていて、日本人はそのイメージから抜けられない。
市場を動かしているマーケターの人々は、この「欧米文化はすごい」という概念を更に利用してマーケティングに利用していると感じます。
先日とあるマーケティングをされている方のサイトをさらっと読んだところ、以下のようなことが書いてありました。
どう思いますか?一つずつ見て行きましょう。
日本人をモデルとして起用すると、利用したモデルの顔で製品まで「好き嫌い」を判断されてしまう
日本人をモデルとして起用すると、モデルの顔で製品まで「好き嫌い」を判断してしまうでしょうか?
確かにそんな気もしないではないですね。
有名な女優さんなんかだったら、バンバン売れそうですが、逆だと売るのは難しい気もします。
一方でモデルが外国人だからって絶対に「好き嫌い」が発生しないってことでもないと思いますが。
「日本人の思い描くイメージが外国人が着こなす方に近い」
すごい欧米崇拝ですよね。
「外国人になれるわけじゃないのに、『外国人が着こなす着こなし』が自分に適用されると刷り込まれている」と理解されているということ。
「外国人の方が体型が良い」
これも欧米崇拝の概念の塊ですよね。
似合うかどうかは売る物がスーツなどだったら、欧米から来た製品だし、欧米人が着ればそれはかっこいいに決まってますが。
「日本人は日本人だからこその体型」があり、その個性が美しいという概念が根付けば、違い過ぎる欧米人の体型を日本人に当てはめようとすること自体が滑稽だと思えると思うんですよね。
着物を着ている日本人男性は、似合っていて本当にかっこいいです。
外国のパーティーなどでも女性だけが着物を着てるケースが目立ちますが、個人的な希望としては、将来的には女性だけでなく日本人男性がもっとスーツよりも着物が正装というイメージを強く持って、着て歩いてもらえたら嬉しいです。
スーツなんて、欧米から後から持ってこられた概念で、日本人にとっては「欧米文化に合わせてるだけの正装」。スーツが正装だなんて外国から押し付けられた概念を「絶対」なんて思う必要はありません。
スーツ屋さんは、売りたいから「スーツが正装」の概念を強化したいでしょうけど。
日本は欧米のプロパガンダに本当にうまいこと丸め込まれてますね。
外国コンプレックスはマーケティングによって日々強化されている
マーケターが市場で上記のように「日本人に刷り込まれた欧米文化への概念」を考えてものづくりをするとどうなるかというと、さらに「欧米崇拝」の概念を高め、「欧米」ブランドを更に強化し、販売する、ということになりますね。
ハロウィンやクリスマスは良い例。
こうして「欧米はすごい」コンプレックスは日々強化されています。
これを書いている私自身も若かりし頃からすっかりこの欧米洗脳に染まった一人。実感です。
各個人の脳みその奥深くまで洗脳している「欧米崇拝」の概念を日本で覆すのは難しいと感じます…。
しかし、本当に欧米列強は世界を支配しましたね…。皆スーツ着てるし、言語は英語とスペイン語が本来話されないはずの地域で広まったし。
日本人の外国人コンプレックス 日本というブランド
海外から見る日本という国は、こんなイメージに見られています。
これってすごいことです。
名前すら覚えてもらえない国が多い中、日本はこんなイメージが固定されています。
日本は、立派な「尊敬されている国」の一つです。
別に持ち上げているわけでもなく、今までたくさんの国の方々と一緒に仕事をする中で、上記のようなイメージを持って扱われていると肌身で感じます。
(今までの日本政府の活動や、それぞれの地域に生きてきた日本人の先人のおかげだと思います。)
日本人は、こうして世界に根付いている尊敬され続けている日本ブランドに誇りを持って、このブランドを利用すべきだと感じます。
日本人の外国人コンプレックス グローバル化した現在は外からみた日本のイメージを再認識すべき時
昨今、インターネットのおかげで世界のすべての国が近くなりました。
そんな中、外国人が日本のサービスにアクセスしても、外国人モデルが起用された広告が目に留まることがあるわけです。
日本のマーケット目掛けてアクセスする外国人が求めているのは、「自分達が神秘的に想像する、かっこいい日本の日本らしいイメージ」なのに。
日本の情報を発信しているウェブサイトなのに「謎の白人が微笑みかける広告と通じないカタカナの宣伝文句だらけ」って違和感しかありません。
日本人がフランスについてフランス語で検索して、「アジア人」が表示されるのを想像してください。ベトナムについて検索したらアオザイを着ている現地の女性を見たくないですか?アオザイを着た白人女性よりも。
それから、会社名も不思議です。
何故日本の会社名はみんな日本でも海外でも通用しないカタカナ名なんですかね。
ラテン語系が多いですが、意味が通ってなくておかしな名前が多いです。
車の名前は、世界に出ると失敗しているのが見える良い例ですね。
世界から見ると日本の車両の名前は恥ずかしすぎる名前がたくさん。
日本車を宣伝するなら、日本語の正しい名前で命名して、日本人演者を起用し、日本の背景をバックにCMを撮影すれば他の国で大人気です。
世界に羽ばたいている、恥ずかしすぎると言われてしまっている日本車の名前については、こちらの記事をどうぞ。↓
日本人の外国人コンプレックス 日本人は自分達に自信を持つべき
ホルホルするわけじゃないですが、外国にいて日本を見つめ直してもやっぱり日本はすごいです。
器用で真面目でモラルがあって努力家な人が多い。
日本人だけが持つ洗練された技巧
例えばですが…身近な例だと、美容師。
日本では、商品や技術について「ニューヨーク発!パリ発の技術!」などの宣伝文句が持て囃されるイメージがあります。全く理解できません。日本よりもすごい美容師産業持ってる国なんて無いと思います。
すごいのは、海外発のものではなくて、いつも日本発のものです。
私はどこの国でも、地元の美容院に行くと酷い髪の洗われ方をするし、大変な髪形(1年程前セーラームーンそっくりの前髪にされました。)にされてしまうので数時間かけてでも技術を有するであろう日本の美容師さんのいる美容院に行きます。
ニューヨークでも日本の美容師さんに日本の技術をお願いしていました。
日本の技術が、逆に外国で必要とされる事の方が多いと思います。
美容師業界のような世界から、建設や新幹線のような大きな産業まで、日本人の技術を必要とする国の方がずっと多いです。欧米でさえそうです。
アメリカの新幹線とか、特にひどいです。事故だらけで超低速です。おまけに指定席すら購入できない。
少し前にはアメリカへの日本の新幹線導入について議論が交わされていました。
(アメリカでは、人口が散らばっていることや、車産業が強いこともあって列車網を構築するという事自体にあまり優先順位が高くありません。)
日本は各アイテムへのクオリティの高い選択肢の種類がすごい
日本の商品は洗練されています。そのうえ、それぞれのアイテムにクオリティの高い豊富な選択肢が用意されています。
これは海外に住んだことがある人ならば感じるあるあるです。どこの国でも、日本程に選択肢がある国って無いです。
中国や韓国は日本の市場と似てきているかもしれませんが。私はまだ日本の市場の方が洗練されているイメージを抱きます。
アメリカとか、本当に最低限ですよ。ずっと同じものが販売されているし、選択肢が限られるし、なんで皆あきないのと思うレベル。小さな商品から大きな商品まで、選択肢は最低限。
どこ行っても同じものしか売ってません。
一方で日本のマーケットは、どの商品も随時改善が繰り返されていて、新しい技術が利用された商品が選択肢も豊富に取り揃えられている。
日本に帰国する度に、日本のマーケットのすごさに感動します。
その陰には、日本人という民族の性質、商品へのこだわりや向上心の高さ、勤勉性などの背景があるんだろうなと感じます。
日本人の外国人コンプレックス まとめ
まとめるとこれです。
日本=海外(特に欧米)よりも色んな面ですごい
日本は、欧米から取り入れた様々なものを自分達の文化に吸収することで、更に良いものを生み出す天才的な国だと思います。
欧米文化からいい所だけ取り入れるのはいいけれど、「そっちの方がいい」なんて欧米の文化や人々のイメージを崇拝する必要は無いと思います。
日本人自身はもっと、日本人たち同士で、元来持っている日本の美しさ、日本人の美しさ、日本語の美しさ、日本の何もかものすばらしさを肯定しても良いかと。
世界は、日本、日本人だからこそ生まれる価値観に惹かれています。