結婚するんだけど、私の相手、スペイン系の名前で
「フリオ・カルロス・アマドール・ルイス」。
私が姓を変更するとしたら、どの名前が適用されるの?
名前を変更する場合は、ちゃんと規則があるみたいよ。
ルールを紹介するわね。
この記事は、複数の苗字を持つ人と結婚する可能性があり、また相手の苗字に改姓する可能性がある方にお読み頂きたい記事です。
こんにちは、れとです。2019年、結婚に伴い夫の苗字に改姓しました。私の夫はスペイン系の苗字。スペイン系の名前を持つ人々は往々にして苗字を二つ、名前も二つ有しています。
そうなると、苗字が複数ある人と結婚した場合、
ー好きな苗字を選べるんでしょうか。
ーそれとも、決まった規則に沿って、苗字を選択しなければならないのでしょうか。
実は答えは、後者です。
姓名の適用の仕方は日本の法律によってきちんと定められています。複数の苗字を持つ人と結婚し、改姓する場合、規則に則り苗字が適用されます。
この記事では、この規則を深堀りします。
☑ 複数の苗字を持つ人と結婚し、苗字の変更を希望する場合の知っておくべきポイント
それでは案内しますね。
国際結婚で苗字はどうする? 苗字の変更の仕方
改姓を決めたら、手続き自体はとても簡単です。パスポート等の付属文書と一緒に「姓の変更」の届け出を自分の住む地域の管轄市役所に出すだけ。
この作業は、「姓が変更できる期間」に行う必要があります。婚姻時にいつまで変更が可能か確認しましょう。通常は、婚姻してから6カ月間の間となっています。
一方で国際結婚では夫婦別姓も認められています。この期間内に姓名を変更すべきかどうか決めましょう。因みに、婚姻後6か月を過ぎた後に姓名の変更を要する場合は、家庭裁判所で手続きを行うことになります。
手続きを終えたら、手続きを行ったその日の内に、新しい姓の住民票を入手することができますよ。
国際結婚で苗字はどうする? 苗字が二つ以上ある国
苗字が二つ以上ある国は、多数あります。前提知識として、二つ以上の苗字がある場合、苗字がどのように構成されているかを知っておく必要があります。
当サイトでは、スペイン語圏の方々の苗字については、説明するページを設けています。
こちらの記事で一度苗字の構成について説明を確認してみてください。
国際結婚で苗字はどうする? 新姓として引き継げるのは、「父系姓」だけ
新姓となるのは一つのみです。原則は「父系姓」のみが適用となります。
Julio Carlos Amador Ruis
スペイン系の苗字の場合、色のついた部分が苗字です。この配偶者の姓は「アマドール ルイス」さんですね。
緑が父系姓で青が母系姓です。そのため、父系姓であるアマドールのみが新姓として適用されます。
上記から、父系姓+自分の名前を「姓の変更届」に記載します。
アマドール 紗子
この「父系姓を引き継ぐ」というルールは、日本の法律で定められています。
そのため特別なケースを除き、役所に行けば自動的に父系姓のみが適用されることになります。もし何か特別な理由等があって、新姓を父系姓以外に変更する必要性がある場合は、家庭裁判所に届け出をして認められるかを判断されることになります。
因みに、私が自分の管轄の市役所に改姓を届けに行った際は、役所の方がこのルールを知らず、ルールの確認に随分と時間を要しました。
国際結婚は、地方ではまだ一般的ではなく、市役所の方がルールを知らない場合もあります。
この場合は、複数の苗字を持つ外国人との結婚の場合は「父系姓が適用される」と理解している旨だけ市役所側に伝え、配偶者の「出生証明書」写しを提出しましょう。
事務方の方々は、マニュアルを持っているのですが、これがなかなかわかりずらいのです…。
国際結婚で苗字はどうする? 確認は「出生証明書」で
父系姓か否かは、外国姓を持つ相手の「出生証明書」で確認します。そのため、「出生証明書」は、通常「姓の改姓」を行う際に提出を求められます。
出生証明書には、父親の名前と母親の名前が記載されています。スペイン語圏の名前であれば、夫婦別姓なので、簡単に父系姓と母系姓を確認することができます。
夫婦別姓で無い場合であれば、基本的には父親側に引き継がれている苗字が適用されることになります。
国際結婚で苗字はどうする? まとめ
複数の苗字を持つ人と結婚した場合において、その配偶者の苗字に改姓を検討する場合、自分の苗字は配偶者の父系姓一つだけへ変更となります。
私の場合、夫は中南米スペイン系で、夫の苗字は父親と母親から引き継がれていたので、父系姓を引き継ぐというルールに当てはまりました。
改姓する側もそれなりに制度を知っておく必要があると思うのですが、ネット上では限られた情報しか出てこないことは不思議でした。
しかし、世界には色々な形態の苗字があって、対応する役所の方も日本の戸籍制度に当てはめるのは、毎回大変だろうな…と思います。
例えばスラブ言語だと、男性と女性で苗字の終わり方が異なるのに、父系かつ男性系の苗字のみ適用とされてしまうと、現地で女性が男性名が記載された身分証明書を保持することとなり、これは結構な問題なのではないかと感じてしまいます。
この場合、男性姓を登録することが原則になっていますが、家庭裁判所で手続きをすれば女性姓を登録することも不可能ではないようです。しかし、女性なのに簡単に女性姓を選択できないのは、かなり不自由だし理解しにくいですよね。
どうしても事情があって法律に則った名前以外に改姓をする必要があれば、とりあえず家庭裁判所に連絡してみましょう。
私は一度複合性を検討していたため家庭裁判所に連絡してみましたが、とても丁寧に手続きを教えて頂くことができました。
複合性とは、配偶者の苗字+自分の苗字+名前としたい場合のパターンです。複合性にする場合も家庭裁判所で手続きが可能です。
(因みに、私は結局複合性にはしませんでした。現在アメリカに住んでいますが、パスポートに旧姓表記を入れたため、通常私の名前は、アメリカでは複合性【配偶者の苗字+自分の苗字+名前】で認識されています。日本では、通常2つしか名前の記載欄が無いことが通常ですので、3つあると逆に色々と面倒だとも感じました。)
しかし、この日本の戸籍制度。これだけ外国人が増えてくると、日本のルールだけが適用された小さな姓と名の欄だけでは、そろそろ対応が限界になるのではないかなと感じました。
どの公的文書でも、名前を記載する欄が極端に小さい。外国人の名前を細かいカタカナで長々と記入するのはなかなか大変でした。
いずれにしろ、これから外国姓への改姓を控えている皆さんが、問題なくスムーズに改姓できることを祈っての記事でした。
写真:Photo by Alexas Fotos from Pexels