長時間の里帰りフライトに、新生児をのせることに。注意すべきポイントはなに?
冠婚葬祭、親戚訪問などで発生する里帰りの長時間フライト。自分自身だけでも一苦労ですが、赤ちゃんと一緒となると、一気にハードルが上がりますよね。
「飛行機の中で泣き止まなかったら…あばれ出したら…何かあったら…忘れものはあるかな…」と心配がつきません。
我が家は国際結婚でして、赤ちゃんを連れての里帰りフライトを何度か経験しています。とくに長いフライトは、以下の2つでした。
東京 ⇒ シドニー : 約10時間(生後2か月)
シドニー ⇒ ロサンゼルス: 約15時間(生後10か月)
「でもこれを読んで準備すれば、ぜんぶスムーズ!」と言いたいところですが、準備万端でもたぶん大変です。
ですが、事前に準備するポイントを抑えることで、旅行を多少スムーズに進められるでしょう。
この記事では、新生児~1歳くらいまでの赤ちゃんと旅行をする際に押さえておくべきポイントをご紹介します。長時間のフライトの乗る予定ができたら、ご参考いただければと思います。
それでは、さっそくご紹介しますね。
新生児と飛行機で里帰り:事前の準備
新生児と飛行機で里帰りする場合、事前の準備はとても大切です。旅行の日が近づく前に、1つ1つの点を確認しておきましょう。
赤ちゃんは、何歳から飛行機に乗れる?
一般的に、赤ちゃんは生後8日から飛行機に乗れるとされています。健康上なにか心配な点がある場合は、事前に医師に確認しておきましょう。
必要な文書の確認
赤ちゃんと飛行機に乗る場合にのみ必要となる文書があります。渡航先で必要とされる文書などについては、事前に大使館や旅行代理店、航空会社に聞いておきましょう。
以下に、一般的に確認すべき文書をご案内します。
パスポート:
戸籍を持参して申請します。申請後、2週間~で発行されます。
戸籍が発行されるタイミングは、自治体によります。我が家の場合、出生後に届け出をすぐ行い、生後1週間半ほどで発行されました。
査証(ビザ):
パスポートの取得後、パスポート情報を提出して大使館で申請します。
渡航先の国や査証の種類により、査証が発行される速度は異なります。急ぐ場合は、事前に大使館などに問い合わせします。我が家の場合は、申請後2週間ほどで発行されました。
☆上記から、生後すぐ航空券を手配する場合、「戸籍の取得(1,2週間ほど)⇒パスポートの取得(2週間ほど)⇒査証の取得(2週間ほど)」とそれぞれの文書の発行タイミングを計算する必要があります。
我が家では、生後可能な限り早く国外に出る必要があり、航空券はパスポート取得後にすぐ購入しました。生後2か月後のタイミングの航空券で、ちょうど「戸籍+パスポート+査証」の手続きが間に合いました。
ワクチン接種証明書:
国によっては、乳幼児のワクチン証明を要します。事前に渡航先の大使館ホームページなどで確認します。
ちなみに、うちの赤ちゃんは2か月で東京からシドニーに渡航しましたが、証明等は不要でした。
航空券:
赤ちゃんの航空券には、以下のケースがあります。()内のそれぞれの費用は、過去私たちが払ったケースです。
●大人の座席費用のみ要購入。赤ちゃんは無料。国内便はこのケースが多いです。
●バシネット(※)の利用料金のみ有料(2万円ほど)。
●赤ちゃんは大人の膝の乗る前提。「大人の航空券の数割の料金」が、赤ちゃん連れ料金として加算される(大人の料金の10%)。
●大人と同様に赤ちゃんの座席も確保が必要。大人1人分と同じ料金がとられる。
※バシネットとは:赤ちゃん用の簡易ベッドです。離陸して飛行機が安定したあと、フライトアテンダントが飛行機の壁にとりつけます。
飛行機に乗る前に航空会社と確認すべきこと
飛行機に乗るために空港に行く前に、確認しておくべき事項があります。
飛行機は、一度乗ると逃げられません。赤ちゃんに可能な限り快適な状況を提供するために、事前の準備は入念に行いましょう。
バシネットの利用可否は、事前に入念に確認
バシネットは、年齢・体重が制限内であれば利用が可能です。有料と無料の場合があります。
ちなみに、「もう首は座ってて、バシネットは不要かもしれない。バシネットは必要?」と思われる方もいるかもしれませんが、利用を申請しておくのをおすすめします。
なぜなら、バシネットを利用可能な席は、座席群の一番前のスペースが広い座席だからです。バシネット設置後は、中に食事や、機内で使うものを置いておけます。機内安定後は、ママバッグも収納棚からおろし、座席前に置きっぱなし可能です。
赤ちゃんは、座席で寝てバシネット内で寝ないかもしれませんが、それでもOKです。選択肢は多いほうが◎です。座席は、前にスペースがある方が、パパママは確実に行動がしやすいです。
バシネットの利用に際しては、予約時に航空会社に問い合わせ、利用を申請します。事前に利用を確約できる場合もありますが、「当日、チェックイン時に早いもの勝ち」という場合もあります。
この場合、前日にネット上でチェックインを試み、バシネットの確保が確認できなければ飛行機会社に連絡しましょう。
我が家は、6時間前に空港でチェックインしたものの、バシネット獲得競争に敗れた過去があります。
席は、エコノミークラスの真ん中、4席中の、どまんなか2席をあてがわれました。両脇には他の乗客。とても狭いうえに両脇をふさがれ、かんたんに通路に出れず…。
15時間のフライト中、ほぼ動けないことになり、かなりつらい思いをしました。狭い空間で、赤ちゃんをいろいろな態勢で抱っこし続けるのは、大人2人だとしてもなかなか大変です。
赤ちゃん用ミール
赤ちゃん用のごはんも、予約時にオーダーします。内容は、以下のようなものです。
その場ですぐ食べなければならないものの場合と、パウチのように保存可能で渡航先に持ち出せるものである場合があります。
大人の座席は、トイレに行きやすい場所を希望しておく
旅行中、赤ちゃんは、お腹がゆるくなることもあります。トイレは頻繁に必要となる可能性もあるので、通路側の席を確保すべしです。
ちなみに、トイレの赤ちゃん用ボードは航空会社によって異なります。今までANA、Qantas、American、Deltaを利用していますが、Qantasが一番利用しやすいボードでした。
搭乗したら、どこのトイレに赤ちゃん用ボードがあるか確認しておきましょう。
ベビーカーの飛行機での運搬
ベビーカーは、折り畳み可なものであれば無料で運搬してくれるのが一般的です。搭乗前、飛行機のドアまで利用可能な場合が多いです。
渡航先の空港に着いたら、飛行機のドアを出てすぐ赤ちゃんをベビーカーに入れられ、そのまま空港外に移動できます。ベビーカーの運搬についても、飛行機会社に事前に確認しておきましょう。
ちなみに、私たちは旅行時コンビのミニモを利用しています。5.5KGと軽いながら丈夫で、通常使いもできるので海外旅行におすすめのベビーカーです。
スーツケースと荷物の個数は最小限に
赤ちゃん連れなら、荷物は最低限にするのをおすすめします。なぜなら、動く赤ちゃんとベビーカーを1人が運搬するうえ、何かと突発的に動かなければならない事態が生じるためです。
夫婦+1人の赤ちゃんの場合だと、以下の量でとどめると比較的動きやすいです。
大人1:
チェックイン ⇒ スーツケース大1、スーツケース小1
機内持ち込み ⇒ バックパック、またはボストンバッグ大
大人2:
機内持ち込み ⇒ ベビーカー、ママバッグ
これより多く運搬すると、旅行の途中で歩くことになった場合、トロリー無しでは運搬が困難です。
なお、スーツケース小は、サイズによっては機内持ち込み可ですが、チェックインがおすすめです。機内で必要なものは、ママバッグ/バックパックに入れ、チェックイン可能なものは預けてしまえば、パパママの両手が自由になります。
飛行機は、遅れが頻繁に発生し、空港での滞在が長くなることはよくあります。そして赤ちゃんはいつでも泣きだします。抱っこ、ごはん、オムツの取りかえなど、いつ対応が必要となるかは計画できません。荷物は、少なければ少ないほど身軽に動けます。
どうしても荷物が多くなる場合もありますよね。通常、国際線であれば、「1人:23㎏×2の荷物」を無料でチェックインできるところが多いです。これに加え、機内持込手荷物が1つ持ち込めます。
しかし、「チェックイン荷物、持ち込み荷物がすべて有料」という場合もあります。有料だと、予算に大きく差がでて計画が狂いかねません。荷物制限は、航空会社と航路によりかなり異なるので、予約時にかならず確認しましょう。
抱っこ紐を準備
空港や機内では、短時間とはいえベビーカーが利用できないこともあり、抱っこ紐を常備しておけば、両手をふさがれることなく行動ができます。
抱っこ紐は、ベビービョルンのハーモニーがおすすめです。少々高額ですが、デザインがユニセックス、おしゃれで洗練されていて、パパママともに使いたいと思える商品です。3歳まで長らく利用でき、投資の価値ありです。
機内持ち込み荷物
機内に持ち込む荷物は、ママバッグに入れて運搬です。なるべく最低限の量にまとめます。
以下は、基本的な内容です。
バシネットが無い座席の場合、ママバッグは前の座席の下に入れてすぐ物が取り出せるようにします。いざというとき、席をたって上から荷物を取るのは大変だからです。
バシネットがある席の場合、前が壁で座席が無いため、離陸時は大きな物を床におけません。離陸して飛行機が安定するまでは、少量の物なら、座席付属のポケットにはさみ込むように収納が可能です。
哺乳瓶など、離陸時に必要な物もありますよね。要すれば、小さめの袋に必要最低限の物だけ分け、座席ポケットにはさみましょう。飛行機が安定したら、ママバッグを収納棚からおろして、床に置けます。
ママバッグ
ママバッグは、大容量入って軽くて丈夫でかさばらないものがよいです。
我が家では旅行用として、このママバッグ↓を購入しました。軽くて大容量でポケットが多いので、整理がしやすく長時間旅行に最適です。パパママ一緒に利用できるデザインなのも◎です。
また、家族全員の文書を一か所にキープするためのパスポートケースを用意するのもおすすめです。
旅行中は、赤ちゃんに気をとられて、パスポートなどの文書をついバッグのポケットに押し入れ、どこに入れたかわからなくなることもしばしば。
パスポートホルダーをママバッグにつけておけば、文書がなくなることはありません。
タブレットと動画
NetflixやAmazon Prime Videoなどの動画サイトでは、タブレットに動画をダウンロードしておけます。他の国でもオフラインで視聴が可能です。
食事時など、どうしても静かにしてほしいときに役に立ちました。
ダウンロードできる、赤ちゃん向けおすすめ番組は以下です。
●Netflix : セサミストリート、ベベフィン
(セサミストリートは、いつもくいいるように集中してくれます。)
●Amazon Prime Video : Do, Re & Mi
ほかにも、日本・外国を問わずたくさんの動画があるので、リンクからラインナップを見てみてください。
Netflixには残念ながら無料体験はありません。Amazon Prime Videoには30日間の無料体験があります。旅行に利用する動画を無料でダウンロードしておけます。
空港には早めに到着
空港には、大人だけの場合の到着時間より、30分以上早めの到着を目指して出発しましょう。
なぜなら、赤ちゃんを連れていると、大人が旅行するときより時間がかかるためです。エレベーターが見つからずに交通機関の利用が遅れたり、検査で予期せぬことに時間がとられたりします。
時間に余裕を持って出発することで、焦らずにすみます。
新生児と飛行機で里帰り:搭乗中にすることは?
飛行機搭乗中、赤ちゃんが泣きだすとパパママはとても困ります。少しでも赤ちゃんが快適に過ごせるようにできることをいくつかご紹介します。
耳抜き
飛行機が上空に上がる際と下がる際、耳抜きが必要です。赤ちゃんは耳抜きができずに不快になって泣き出します。
赤ちゃんの耳抜きには、授乳が効果的です。飛行機が上昇、下降する前に、粉ミルクかママの授乳の準備をしましょう。
飛行機が出発しスピードをあげて上昇を開始した際、そして下降についてのアナウンスが流れた際が授乳開始のタイミングです。
機内で遊ぶ
うちの子には紙カップやヘッドフォン、機内食のスプーンなど、はじめて見るものはみんなおもちゃになり、それなりの時間静かに遊んでくれました。
ヘッドフォンを頭につけたりはずしたり、スプーンを近づけたり遠ざけたりを面白そうに目で追ったり。
一方で、持ってきたおもちゃや絵本は、あっという間に飽きられました。ですので、おもちゃは不要だったと感じてます。(荷物になったので、持って来なければよかったと後悔。)
それから、私は動画のためにタブレットを用意してましたが、機内ではディズニー他、赤ちゃん向け動画も用意されていました。うちの子は少し見入ってくれ、少々時間を使えました。
赤ちゃんミール
赤ちゃん用ミールは、早めに提供してもらえるようお願いするとよいです。大人の食事と一緒に提供されると、タイミングがかぶるためにテーブルに置ききれず、床に置くはめになります。
そして、パパママのうち1人は、随時赤ちゃんを抱きかかえているかあやしている必要があり、パパママの食事は1人ずつすることになります。
赤ちゃんの食事のタイミングは、そのときの状況により大きく変わりえます。臨機応変に対応できるようにしておきたいところです。
航空会社によっては、赤ちゃん用ミールを数食分を一度に提供してきます。搭乗後すぐにすべての食事を提供してもらえば、フライトの時間に合わせて自分たちで食事の時間を調整できます。
ある航空会社は、着陸2時間前の食事時に、「赤ちゃんの3食分の食事」を一度に私たちに渡してきました。しかもパウチでない、持ち出し不可のミールです。
たぶん離陸後の食事のとき、提供を忘れたのだと思います。
私は、飛行機で赤ちゃん用ミールが提供されなかったときに備えて持参したパウチをあげていました。結局2食分をムダにしました。
時差を視野に入れ、早めに赤ちゃんの寝る時間を調整する
飛行機の中では、渡航先の時間に合わせ、可能な限り睡眠を調整します。そうすることで現地に着いてからスムーズに現地の時間に合わせて行動ができます。
新生児と飛行機で里帰り:到着後の知っておきたいこと
やっと飛行機から降りられた…と一息つく間もなく、移動は続きます。渡航先で、赤ちゃん連れだから起こる注意点をご紹介します。
現地でのタクシーなどの交通機関に注意
タクシーの利用が必要な場合、渡航前に赤ちゃんを運搬できる交通機関の目途をつけておきましょう。
なぜなら、Uberなどのアプリタクシーサービスでは、ベビーシート無しでは赤ちゃんを乗せられない国がたくさんあるためです。ベビーシートを搭載した車はほぼありません。
普通のタクシー会社でも赤ちゃんを運搬できる会社は限られます。以外と落とし穴なのが、自分の住む国の自宅から空港までの交通機関。赤ちゃんが乗っても大丈夫な交通機関の利用を計画しておきましょう。
現地のホテルには、ベビーベッドを発注
たいていのホテルは、無料でベビーベッドを用意してくれます。予約時に問い合わせておきましょう。
一方で、慣れないベビーベッドで寝れない赤ちゃんも多いかもしれません。わが子はまったく寝ず、大人用ベッドで添い寝して寝かせました。
まとめ:新生児と飛行機で里帰りは予約時から万全に準備
赤ちゃんと長時間フライトが必要な場合に、注意すべき事項をまとめました。重要なのは、予約時から飛行機に乗るまでにすべき、さまざまな確認です。
とくに、座席の位置やバシネットの有無は、長時間フライトのクオリティを大きく左右します。代理店や航空会社に事前に問い合わせ、どうしたらよりよい席を確保できるか確認しましょう。
この記事が皆さんの旅行の準備に少しでも役に立てばうれしいです。皆さんの旅行が、楽しいものになりますように。
それでは、また次回♪